9月27日の三慶会は、藤中支部長の都合が悪くなり、
急遽、会員の箕浦さんにピンチヒッターお願いしました。
今回のテーマは、錵と匂いについてです。
錵出来の刀とか匂い出来の刀と言うので、
錵だけの刀や匂いだけの刀があると思ったら、大間違い。
これは、便宜的に言っているだけで、
刃文は、霧のような匂いの上に、錵がついているもので、
錵をどれだけ多く感じるかで、
錵本位とか匂い本位というイメージの方がよいようですね。
改めて、錵や匂いをみんなで観察しました。
今回は、参加者がわりと少なく、
その分ゆっくりと鑑賞できてラッキーと
思ったのは、私だけだったでしょうか。
何度も書きますが、解説は、私のメモ書きをもとにしていますので、
完璧に正しいものではありません。
雰囲気をつかんでいただけたらいいなと思います。
まちがいがあったら教えてください。
次回は、10月25日支部鑑賞会に参加予定です。
鑑賞刀一覧
脇差 銘 波平大和守安国 (享保頃の刀匠)
匂口深く錵出来、物打ちに芋づると称される働きがあるが、品の良いもので、金筋に見まごう。健全な姿で、うぶ刃が残っているのではないかという意見も出た。茎は檜垣ヤスリ。安国は、一平安代の師と伝えられ、父・安貞(5男)の兄で、4男であったという
刀 無銘(二字国俊・第48回重要刀剣)
錵本位の丁字乱れ。備前の丁字は、相州に移った助真を除くと匂い本位の作風であるが、山城の丁字は小錵がつくことが特徴で、焼頭がそろうことも特徴。それに対して備前の丁字は、刃先が揃い、焼頭は、出入りがあって華やかである。
脇差 無銘(大和志津・保存刀剣)
相州伝と大和伝の両方の要素がある作品を、大和志津ときわめられる焼巾は低いが、金筋、砂流し、飛び焼なども見受けられ穏やかさの中に激しさが秘められて魅力を感じる。中程上に、しなえが見受けられるのがおしまれる。これは分子の間に炭素が析出したときに見られるとのこと。
刀 無銘(手掻包吉・刀苑上々作)
中程より下、刃側板目流れて柾ががり、上は板目、地景風の黒い肌強く交じる。小錵出来で、打ちの気、食い違い刃がある。直刃なので、三原かと思われるが、帽子の返りがきれいであり、三原の滝落しや虎の尾返りとは異なる。
刀 無銘(雲重・第13回重要刀剣)
煮え粒が小さく、匂い出来かと思われるような出来で、図譜には、匂い深く錵つくとある。直刃調で小足が入り、青江風にも見える。
刀 無銘(参考刀)
板目よくでて、物打ちあたりに映りの気配を感じる。兼光などに見受けられる直刃調で、角張って節のある刃文。匂口しまり、明るく破綻がない。
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