7月13日安佐南区民文化センター美術工芸室にて開催。
小田原相州の綱宗作の倶利伽羅の彫刻のある刀、皆焼(ひたつら:普通は焼を入れていない地の部分にも飛び焼が入っている作風)の同田貫上野介銘の刀、左文字一派安吉銘の短刀、無銘ながらも粟田口の極めの短刀、小互の目のつれた吉井物と称される藤原清則銘の太刀、郷土刀の参考資料として平造直刃の長脇差で、三次住宍戸定次作在銘の作品を鑑賞しました。
今回は、鑑賞品が多く出されたため、手入れの実技指導は行ないませんでしたが、皆さん熱心に鑑賞されていました。
特に同田貫上野介正国は、劇画「子連れ狼」の拝一刀の愛刀であったために、映画などではおなじみですが、当地では意外とお目にかかりません。同田貫という刀工集団は、九州肥後菊池の同田貫という土地にいた刀匠集団です。元々は京都山城の来国行の孫で国村という刀匠が、菊池氏の要請で当地に来住、「延寿」という刀工集団が生まれ、その末裔だと言われています。また加藤清正の抱えであったとも言われ、正国は加藤清正から一字を授かったと伝えられています。作風は、実用本位で身幅が広く重ねが厚い堅牢な物が大半とされ、鑑賞の対象としては、余り評価されていません。明治20年明治天皇が伏見宮邸を訪れたときに、直心影流の榊原鍵吉が、同田貫で明珍の兜を割ったという逸話があるそうですから、評判通りの業物だったのでしょう。
今回の作品も、身幅の広い豪壮な作品でした。
さてさて、次はどんな作品に出会えるのでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿